巷談舎便り

巷談舎便りvol.100

先月はご心配をおかけしました。新しいパソコンとソフトにようやく慣れてきました。

巷談舎便り、今回で100通目となりました。いつも読んでいただき、
本当にありがとうございます。
のんびり構えているうちに今回もお送りするのがすっかり遅くなりました。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

5月3日から3日間、久々にゆっくり時間を過ごしました。4日は主人とふたりで
京都に出かけました。
友人がやっている京都の老舗ライヴハウス「磔磔」が今年めでたく40周年を迎えました。
4日は私の好きなバンドが出演するので、主人がチケットを予約してくれていました。

学生時代から6年半を過ごした京都ですが、店を始めてからはすっかり遠く
なってしまいました。
少し早目に大阪を出て歩き回りましたが、ゴールデンウィークとあって、どこも人・人・人。
学生時代によく行ったお店はやはりことごとくありませんでした。

磔磔は古い蔵を改装したもので、一歩足を踏み入れると若い頃に戻ったような
気分になります。
友人でもある、オーナーの水島さんと出会ったのは私が19歳の時です。
随分長い時が流れました。
それでも磔磔に水島さんがいてくれるおかげで帰る場所があると思えるのです。
仕事の都合で遅れてきた友人のTさんと合流し、若い人たちに混じってライヴを楽しみ、
みんなでゆっくり話ができて、とても楽しい夜でした。

4月の企画展、「My Favorite Things」は初日に小坂さんが高知から、
寺内さんが有田から二日目には東京から十時さんも忙しい中に駆けつけてくださり、
とてもにぎやかな企画展となりました。

今回食器の種類もとても多く、初日は並べきれなかったものもありました。

小坂さんの織部は深い緑がとても美しく、たくさんの種類の皿が並びました。
なかなかいいものが取れず、3回も窯を焚いたそうです。

十時さんは黒い塗りに銀箔を施した重箱がとても素敵でした。
下地に使う錆漆を表面にも塗るという面白い試みの作品もありました。

藤井さんは青白磁・白磁だけでなく、青瓷や黒い釉薬を使った黒磁の器、
丸い入れ子の蓋物、硯なども並びました。

寺内さんは染付だけでなく、小坂さんの焼〆拭漆に敬意を表して、
磁器に漆を焼き付けるという新しい作品が登場しました。
食器の楽しさを存分に味わった一週間でした。

さて、今月の企画展はお休みです。
来月6月21日(土)〜28日(土)「若き旗手たち 金重潤平・細川護光・矢野直人」を
開催します。
5回目となるこの企画展、今回は唐津の矢野直人さんに参加してもらうことになりました。

主人は前々から矢野さんを加えることを考えていたようです。
細川さんと矢野さんは以前から交流があり、金重さんと細川さんもこの企画展が縁で
付き合いをしています。
昨年岡山で細川さんの個展があり、金重さんに矢野さんを紹介しました。
翌日主人は矢野さんを連れ、金重さんの仕事場を訪ね、
とても丁寧に仕事の様子や窯の説明をしてもらったそうです。

備前と唐津では土も焼き方も違いますが、それぞれの仕事を知ることは、
これからの仕事にプラスになるのではと考えています。

金重さんののびやかで力強い備前、細川さんの熊本の土で作る焼〆・信楽・唐津、
矢野さんのさまざまな表情を見せてくれる唐津。

今年はどんな作品と出会えるのか、とても楽しみです。
初日・二日は三人ともいらっしゃいます。ぜひご覧ください。
ホームページでも一部ご紹介します。こちらもどうぞご覧ください。

                               巷談舎 山根幸子

                            

Vol.100
2014年5月

戻 る Home